2014年9月30日火曜日

【ストーリー考察】チートという言葉だけで物語を膨らませてみる【設定考察】

ジャンプなどの少年誌はいわゆる魔法をどう呼ぶかで話の内容が決まります。錬金術や念、忍術、悪魔の実…それぞれ世界観は全然違いますが要は魔法をどう呼ぶかです。

つまり、魔法の呼び名を思いつけば次第と物語の世界観が見えてくる。そっちからアプローチをかけて物語を作っていく方法で今回は話を膨らませてみたいと思います。

今回のテーマは「チート

この設定を考えてみようと思ったきっかけ…それはGTA5をプレイして!


チートとはゲームでキャラクターのパラメータをいじったりしてキャラをむちゃくちゃ強くしたり、お金をたんまり増やしたり…要はゲーム内でズルをする行為の事です。

GTA5(グランドセフトオート5)というゲームがあります。このゲームはロスサントスという架空の街で主人公達が犯罪を犯す、犯罪映画を体験できるゲームなんです。ゲーム内で犯罪行為も含め何でも出来る事から過激ゲームとして問題視される事も多いのですが、このゲームのホントにすごい所は街の再現度です。

見渡せる限りの街はどこまででも移動可能ですし、建物、道、山など高度なグラフィックで人々の動きもホントにそこで生活しているかのように錯覚させられる事です。






このゲームでは公式にチートと呼ばれる行為が可能です。主人公達は普通の人間なんで、人間が想像しうる行動しか取れませんが、このチートを使う事でヒーローのような行動を取る事が出来ます。

簡単な例として

・Invincible(無敵) — 5分間無敵になる
・Fast Run(高速ランニング)— 高速で走る
・Explosive Melee Attacks(爆発フィスト) — 打撃攻撃が爆発する
・Super Jump(スーパージャンプ) — 通常より高くジャンプできる


このような超パワーを発揮できます。これって少年漫画でいう魔法ですよね。この設定で超パワーを得た主人公の話を作れないか。これはチートで話を考えてみようと思ったきかけです。

話が向かう方向を考察する


チートをテーマにするんだから主人公達は何かしらのコンピュータ内に広がる世界に繋がれたキャラって事になります。

ただこの設定ですぐ思いつくのが映画「MATRIX」だと思います。

「MATRIX」の話を簡単に言うと、

この世界は仮想世界で僕たちは発電所繋がれている。そして、現在の日常の夢を見させられているのだ。外の世界は意志を持った機械が支配していて人間は機械との戦争が続いている。主人公は仮想世界に繋がれた人間を解放するため人類軍と共に戦う。

って話です。主人公は他の仲間と比べ超パワーを手に入れるのでまさにチートって感じですね。

この映画と同じ話、構図、設定で話を作っても面白くありません。違った設定を考えてみます。

この世界って激しく数式に縛られてるよね

僕は以前プログラマをやっていたのでこれはよく思います。僕たちは日々の生活で重力の法則、質量保存の法則など物理や化学の法則に縛られています。これらは完全に数式で表現出来ます。そういった意味では僕らはゲームのキャラと同じルールによって縛られてます。僕らはコンピュータの世界にいるのと同じなんです。

これだけならマトリックスとかぶります。しかし、違う話運びにしたいので別の角度からアプローチをかけていきます。マトリックスは外の世界があって僕たちは夢を見せられているという設定ですが、あえて外の世界を考えない方向で話を進めるというのはどうでしょう。

どういう事かというと、マトリックスは外部と内部の世界を行き来しながら話が進んでいきますが、外の世界を意識してしまうとどうしても外の世界への解放へと話が進んでしまいます。

そう考えるのではなくて、外の世界をいわゆるあの世、死後の世界のような感じに仮定して、そちらへ行くことを目的にするのではなく、そちらの存在を知ったことにより手に入れた力を使い、この世、プログラム内の世界で活躍するって方向がいいんでないかと思います。幽遊白書のような感じですかね。

ただ外の世界的なものを設定すると世界を作った上位の存在が考えられます。この辺もチートをテーマにする上で欠かせない要素です。


上位の存在の立ち位置を定義する


チートというテーマで上位の存在的なものは欠かせないと思います。しかしそれはマトリックスにも出てきます。エージェントといって管理者側のキャラです。エージェントは主人公達をプログラム世界の異物、排除の対象とし攻撃してきます。さらにエージェントは管理者側なので銃弾をかわす、パンチがコンクリートを打ち抜くなどチートな動きをしてきます。

管理者達が主人公達を狙う。この構図はとても面白いですが、単純に真似したのでは芸がありません。上位の存在(以下、管理者)の立ち位置をもう少し考察してみます。

まず、彼らの最大の目的は「地球プログラムの管理、維持」です。その管理、維持の中には生物の進化する事を許可しているとします。猿が人間に進化して知恵をつけ文明を発達させる事は許容範囲内なのです。その延長で人間が上位の存在に気付き、地球プログラムを理解しチートコードを手に入れる行為、スーパーパワーを手に入れるのはどうでしょう。これも進化の範囲内なのでしょうか?

チート行為は進化の範囲内??


これをどう定義するかで話は大きく変わります。チートコードを人間が手に入れる事を地球を脅かす禁止行為とするのか、進化の範囲内とするのか。禁止行為とするなら超人間達はマトリックス同様、常に管理者達から狙われる事となります。しかし、それを進化の範囲内とすると超パワーを持って行動する事自体は排除の対象にならず、何をするかで初めて敵対するかが決まります。後者にするとマトリックスとは違う管理者達との関係が築けるのでこれで考察を進めます。

どういった行為を排除対象にするか


何度も言いますが、管理者達側の目的は「地球プログラムの管理、維持」です。地球で起こる自然な出来事を維持するのが目的です。なので、生命の弱肉強食やそれに伴う進化、さらに竜巻や津波、地震のような災害を起こさせる事も彼らの役目です。

もし、チート行為で超パワーをもった人間同士が争った場合はどうでしょう。先ほど定義でチート行為自体は排除の対象にしない事にしました。そして、管理者達の目的は地球プログラムの維持なのでそれらが脅かされない限り動きません。つまり、これもただの人間同士の争いごと、どんなに規模が大きくなろうと戦争の類いとされ標的にはなりません。

しかし、チート行為で地球のメカニズムを理解して地震や雷がいつどこで起きるかが正確に分かったとします。その時どう動くかで排除か否かが決まります。

地球に逆らっちゃダメ!!


地震を予知できて人々にその危険を知らせて回るのは、天気予報の延長なので問題ありません。(ただ、設定として超人間達の組織を公のものとしない場合、知らせて回るのは難しくなりますが…)しかし、超パワーでその地震そのものを起こさせないようにするのは、地球プログラムそのものを脅かす事になるので排除対象になります。

このように、超パワーで何をするかで管理者と敵対するのか静観するのかが決まります。

管理者は界王神的な存在!


プログラムにはバグやコンピュータウイルスの脅威がつきものです。地球プログラムにもこの脅威が起きるものとします。その場合、この脅威は人間と管理者両方の共通の敵となります。だから、共に戦う事となります。

具体的な例を出すとドラゴンボールの悟空達と界王神達を想像してもらえると分かりやすいと思います。界王神(管理者側)らは魔人ブウというバグもしくはウイルスにより、宇宙が脅かされるのを阻止しようと悟空達(超人間)と協力して問題解決に取り組みます。その際、チート行為で法則が乱れる可能性のあるドラゴンボールの使用は快く思ってません。

管理者達と協力する場合はこの構図と同じです。彼ら管理者は純粋に地球の管理、維持のみの為に行動しそれ以外は静観するといったスタイルを取ります。

まとめ


・主人公達は地球プログラムに気付きチートコードにより超パワーを発揮する。
・話を外の世界へ行く方向へは持っていかない。
・外と内の世界の関係はあの世とこの世のようなもの。話は内の世界のみで展開される。
・上位の存在、管理者は地球プログラムの管理、維持の為だけに動く
・人間達と敵対するときは地球プログラムの運営を脅かす時のみ。チート行為による人間同士の争いも干渉しない。
・管理者側は彼らが予期しないバグが現れた場合、人間達と協力して戦う事もある。

こんな感じかな。管理者を定義する事で話の方向性が見えて来た気がする。こんな感じでチート行為で暴れ回るヒーローの話を作れないだろうか…次回はそのチート行為、魔法を定義していきたいと思います。


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