小説の方です。映画の方ではありません。映画は2014年03月29日公開じゃなかったかな。こちらも楽しみです。湊かなえ先生の小説といえば、読みやすくおもしろい。この一言につきます。この作品もおもしろかった。二十分に楽しめました。早速感想を…
概要・あらすじ
この小説は、殺人事件の容疑者に近い人物たちが、彼女のことを語っていくという、話し言葉オンリーでストーリーが展開されます。後輩、上司、大学時代の友人、実家の近所の人、昔の親友、両親、、、そして当事者といった形で話が進んでいきます。その話を、フリーライターの男が聞いているといった設定です。だから、主人公はこの男性になるのかもしれませんが、男性は最後まで一言も話しません。最後に事件参考資料として、そのフリーライターが発言したSNS(Twitterのようなやつ)と週刊誌の記事が乗っています。これにより犯人の動機や事件の全貌がわかるという流れです。なので、最初に参考資料を読んでしまうと犯人が一発でわかってしまうので注意!!
あらすじとしては、某県某所にある人気石鹸「白ゆき」のメーカー日の出石鹸の従業員女性が殺害されます。その事件が起こった後、すぐ有給を使い行方をくらました女性がいかにも怪しいのでこいつが犯人じゃね?って同僚の中で疑われ始めます。フリーライターの男は同僚や友人に行方をくらました容疑者はどんな人物なのかを取材していきます。しかし、みんな言ってることが微妙に違う。いったい何が真実なのか…
まるで取材を通して事件を追っているようなストーリーライン
話し言葉なので読みやすいです。それに、徐々に事件のあらましがわかっていく感じはとてもドキドキ、ワクワクして読むのが止まらなくなります。それに、「これは噂なんですけど…」って内容を本人に聞けば「全くの事実誤認だ」と言い、他の人に聞けば「そんなはずはない。あれは真実だ。だって…」と言った具合に誰がホントのことを言ってるのかわからなくなります。そして、疑われている女性のイメージが大体ついたところで、真打ち!本人の証言が登場します。まさにキターーーーー状態。ここで真実が露わになるのですが、今までも証言で矛盾が生じているのでこれも本当?って疑問を持ってしまいます。完全に疑う癖がついてしまってますね。そして、本人の証言の最後に衝撃的な一文でえっ??ってなりながら事件参考資料に続くのです。
事件参考資料がネットを追っているようで臨場感抜群
本編?というか個々の証言が終わった後にその流れにそって記者がつぶやいた内容や発行された週刊誌の記事などを見ていくのですが、この感じ、事件をあとで知ってネットで探しその流れを追っている感覚に非常に似ていると感じました。報道でニュースを知り、全体の事件の流れを知った上で、ネットの書き込みを追っていく…そこに何とも言えないリアルさを感じました。ただ、今までの文章と違う書体に変わるので文章の読み取りモードを頭のなかで変換するのに非常にストレスを感じます。それと明らかに知っている内容をもう一度追わなければならないのもちょっと苦痛だったかな。章が終わったところで資料を提示してくれればとも思ったのですが、それはそれで読みにくいかなぁと。まぁ慣れれば読めるんですけど、本編の証言ほどワクワクはしないかな。後日談を読んでるかんじですかね。新しい挑戦って事ではいいと思います。
でも、殺人の動機などオチはムリヤリ。モヤモヤ感が残ってしまう。
ずっとワクワク、ドキドキと野次馬根性を刺激されながら話は進んでいくのですが、オチが「あ、、、そうなんや」レベルなのが残念。というか、それは動機に無理があるんじゃね?って思いました。だって、結構ひどい殺され方してるんだもん。はずみでレベルじゃなく相当な恨みがないとあんな殺し方しないのにその程度の動機?ってのがとてももどかしくもモヤモヤ感ができてしまいます。もっと知りたいのにもう終わったんだな。って感じがなんかおしいなって思う。ちょっとしたミスリードのためにその殺し方選んだんだろうけど根本のところで無理が生じてしまってるかな。
最後に…
オチは残念でしたが、全体的にはとても面白い作品です。僕はこの小説を5,6時間で一気に読んでしまいました。休憩殆どなしです。それくらい引き込ませる文章力、話の面白さが詰まった作品です。是非とも手にとって読んでもらいたい。映画も見に行こう!!てか、映像でも見たいと思う作品でした。
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