2014年2月14日金曜日

【ネタバレ無し】福満しげゆきの「生活(完全版)」を読んだよ〜感想を書く!!


一巻完結のマンガを読めば漫画家の実力がわかる。ウソかホントか分からないが名作にたどり着ける気がして単巻のマンガを買いあさってる今日この頃。今回はこのマンガを読みました。

生活(完全版) 福満しげゆき

う〜ん。このマンガかなり感想を書くの難しいぞ!!頑張ってチャレンジしてみます。

あらすじ

コンビニアルバイトで生活を繋ぐ青年が主人公。ある時、体にワイヤーフックなどを仕込む男(画像の一番上)と衝撃的な出会いをする。その男(以下ワイヤー)と友達になり、悪い事をした人間を成敗しようと計画たて実行に移す。

ターゲットはわいせつ行為を働いた高校教師。必殺仕事人的な感じなんだけど大きく違うのは、悪人情報はテレビから得ているので社会的制裁はちゃんと受けている。実行に移す際、教師の自宅を教えた女子高生が仲間に。

さらに成敗は続き、街でたむろしている悪い若者を次々とロープで縛り吊るす。その過程で同じ闇で制裁行為をしていたトンカチオジサン(画像下)も意気投合して仲間になる。そして、どんどん組織は大きくなるのだが…

こんな感じ。これは冒頭なのですが、話が進むにつれスケールが大きくなります。

芥川賞的芸術作品

この話、なんて言うか好みが分かれまくる作品だと思うんですよ。なんていうか小説の大賞で言えば芥川賞よりかな。僕の認識では芥川賞は純文学。くだけて言えば芸術的な文章。作者の内面そのものを表した作品で、対する直木賞は、大衆娯楽で多くの人がおもしろいと感じれる作品かなと思っています。そういう意味で、これは芥川賞的作品。絵柄も個性的ですが話の内容が作者の鬱屈した思想、妄想が込められてます。


作者から漂うオーラがにじみ出た作品

作品が放つ独特のオーラ。これをいいと思うか嫌いと思うかは分かれると思いますが僕はすごく好きでした。底辺の人間、比が差し込まない人間が天に住まう人間を見上げた感がたまらない。作者があとがきでも言っていますが、この話は国家転覆ものです。でも、国家転覆はテーマがでかすぎるから街なら何とかなるんじゃねって感じで構想して書いた作品だそうです。

キャラクターが愉快

先ほど、芥川賞的と表現したこの作品。作者の内面を描いたもの感が強く出ているのがキャラクターです。この読者にこびない独特というか超オリジナリティ満載のキャラクター達。主人公は成敗に対して全くのノースキルなんですがワイヤー男とオジサンが無駄に強い。それに、情報を集めてくる女子高生が可愛くない。アクションシーンも独特の爽快感で表現されていて、この絵柄だからなのかストーリーとマッチしているのかいいカタルシスを生み出します。ワイヤー男は体術にすぐれ、さらに体から様々な武器を仕込んでます。(鉄のヨーヨーなど)。オジサンは両腕にトンカチを仕込んでおり敵の攻撃をさらりと受け流しながら頭を殴りつけます。コイツら戦えばこんなにすごいのに普段は底辺らしさをうまく表現したキャラクターなのがとても感情移入できます。

ストーリーは…うまいとは言えないかな…でも…

僕は最初読み始めた時、絵柄が好きになれず読み進めるのにすごく時間がかかりました。ただ、作品の雰囲気に浸った後はサクサク読み進められました。でも、ストーリーを冷静に評価したらうまいとは言えない。なんかきれいに伏線を回収して、見事な裏切りがあって壮大なカタルシスとともに終わるって作品ではなく、ゆったりとしたフェードアウトで終わりです。無難に終わらせたって感じかな。

でも、でもですよ。何度も言いますようにこれは芥川賞的作品なんです。世界観に浸り、話のポイントで共感する作品なんですよ。だから、ストーリーのうまい下手じゃない部分が最も重要であり作品に浸れた自分は十分に楽しめました。

最後に…

僕の中であまりに衝撃的な作品だったので、作者を調べると結構可愛い奥さんと結婚してるじゃねーか!!メシマズって思ったけど物事の思想回路ってのは恵まれたからといってかわるもんじゃないし、この作品は十分オーラが込められてるから問題無しとします。ってかすごく、福満しげゆきさんに興味が出てしまった次第です。ハマった人は他の作品も読んでしまいたくなります。他の作品も読んでみよう。そう思わせる作品でした。







0 件のコメント:

コメントを投稿