2014年3月19日水曜日

福本伸行×かわぐちかいじ「生存 Life」を読んだから感想を書く!



「カイジ」の福本伸行先生と「ジパング」のかわぎちかいじせんせいがダッグを組んだ作品。驚きのタッグと全三巻と短めの巻数だったので買ってみた。内容は、なんとミステリー作品。ミステリー好きの僕としては、最初から面白さに引き込まれてしまい一気に読んでしました。それでは感想を…

あらすじ


主人公は余命半年と宣告されたおじさん。妻も同じ病気で随分前に他界しており、娘はなんと行方不明。孤独と絶望に耐えきれず、自ら命を終わらせようとしたその時、警察から電話が!なんと行方不明だった娘の白骨化した遺体が長野県で見つかったという。状況から見て殺人の形跡が非常に濃い。しかし、娘が死亡した時から14年経っており時効が間近に迫っている。手がかりの無さから警察も乗り気ではない。主人公は残された命の中、娘を殺した犯人を探し出すことを決意。捜査を開始する。

王道のミステリー展開で引き込まれる


この話、簡単に言うと王道の2時間サスペンスです。ストーリー展開が2時間サスペンスのような形で、手がかりを見つける→そこへ向かうとまた新たな手がかりがと言った数珠つなぎのように進んでいきとても分かりやすいです。そして、お約束のミスリード。犯人かと思ったが違った!!ってのも入っていて(ネタバレになちゃうけど分かるよねw)個人的には満足。犯人にたどり着くまでの流れはシンプルに作られていて読みやすかったです。

警察モノと推理モノの違い


僕的な意見なのですが、警察モノは捜査を積み重ね犯人にたどり着く話です。もちろん推理モノも構図は同じなのですが、大きな違いは犯人の存在です。警察モノは犯人が誰かってより、犯人にいかにたどり着くかって所を楽しむ作品だと思ってます。だから、犯人が急に出て来たキャラクターでも問題ありません。

しかし、推理モノは違います。警察モノと同じ流れを踏みながら、犯人にたどり着くヒントを散りばめておき、犯人も既に登場しているキャラクターでなければいけないのです。最低条件として最終章を読むまでに、ヒントから犯人を割り出せなければいけない。最終章に犯人をつなぐ重要新情報があってはいけないのです。その点でこの作品は、推理モノです。そう、犯人は身近なあの人なんです。

ただ、その犯人が推理モノ要素を詰め込もうとした結果、無理矢理感が否めません。最終章直前のところで犯人が誰か推理するヒントなんか無いんだから、無理矢理知ってるあの人にしなくてもいいと思った。サプライズを用意したかったんだろうけどがっかり感は否めない。

これ漫画にする必要あったの?


読み終わって面白かったが一番思ったのがこの感想。これ、漫画にする必要あったのかと。小説の域を超えないというか小説で読んだ方が面白かったんじゃないかと思う。推理モノの漫画ってコナンとか金田一少年とかあるけど、コナンは天才高校生が小学生になるって設定を加えている。さらにキック力増強シューズやスケボーなどSF的なガジェットで迫力のある展開を用意し、話の軸は王道の推理モノだけど、漫画でなければならないストーリーにしている。金田一少年は読んだ事内から分かりませんw(多分、漫画じゃないと表しにくいキャラクター表現とかじゃないかな)

ところが、この作品は漫画である必要性が見当たらない。絵も壮大な自然など個人の想像に絵が勝てるわけないし、話の軸もSF的要素も無いので絵でなければならない理由がないのだ。面白いがこの話なら漫画じゃない方がもっと楽しめるんじゃね?ってのが感想でした。

オチは今となってはどうなんだろう…


この話は、時効を問題定義としている側面があります。時効ってどうなのよ?です。科学捜査が進歩して来た今、15年て昔の基準で手がかりがあるのに考え直そうよって事をあんに言ってます。ただ、現在どうやら殺人事件に関しては時効が撤廃されているみたいですね。だから、この問題定義は解決されたみたいです。

そんな事はどうでもよくて、単純に話のオチとしてみた場合。時効トリックといいますかそういう物が使われてます。娘がいつ死んだかで犯人の時効期限が数日ですが変わるんですね。死んだ日から15年ですから。ただ、死んだ日が予定していた時間と違うことを証明する答えが突拍子も無くて微妙かな〜バブルの時代だったらおおってなったのかな?この作品書かれたのいつだっけ??高校生の少女がこのダイイングメッセージを残したのかと思うとちょっと微妙かなぁと思った。

最後に…


先ほども言いましたが、王道2時間サスペンスのような作品です。片平なぎさ、船越英一郎作品が好きな方は面白いと感じてくれるはず。しかし、漫画である意味が少々薄い作品でもあります。まぁ漫画なので読みやすいんだけどね。話自体は面白いのでオススメです。


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