2014年3月14日金曜日

志村貴子「ルート255」を読んだ!!感想を書こうと思うのだが…


ネットのオススメ漫画で「ルート255」ってのがあったので買ってみました。読んだんだけど、完全に不完全燃焼!!多分わざとやってるんだろうけどね。そこんとこ詳しく書いていきます。

あらすじ


高校生のエリ子は、母になかなか帰ってこない弟ダイゴを探すように命じられる。何気なく傘をもって外出。弟をみつけて帰路につくが、いつも通りの道を歩いても家に着かない。しばらくすると異変に気づく。数年前に死んだ友達が生きていたり、仲が微妙になった友達が以前と同じように仲良しになっていたり。二人は、ほんのちょっと違うパラレルワールドに迷い込んだ事に気づく。二人は元の世界に戻れるのか…

日常のちょっとした変化が事件になる


まぁこの話、これと言った事件は起きません。ほぼ通常回と言った所でしょうか。ただ、ちょっとした変化が彼女達には大事件です。数年前に死んだクラスメイトが生きていて、何も無かったように生活してるのは大きな事ですが、その他些細な違いが彼女達を悩ませます。ただ、この変化は気づくだけで解決のしようがない。だってその世界はパラレルでその事実で世界が回っているんだもの。何も出来ないやきもき感がうまれます。それが続きを読ませたくなる原動力となり、「これ、どうなるねん??」って読み進めてしまいます。

自分の世界の両親との会話が切ない


自分の世界に帰る方法を模索する中。ある条件を満たせば自分が育った世界の家に電話をかけられる事に気づきます。ただ、制限があり話せる時間は限られている。自分の世界ではまだ自分たちが帰っていないようであり、母は最初は大声で叱るのですが、日を重ね、回を重ねると「ちゃんとご飯食べてるの?」とか身の回りの心配をしだします。最後の会話はとても切ない。もう二度と会えないかもしれない両親との最後の会話です。こちらの世界にも瓜二つというより同じ両親がいるのですが、それでもやはり切ない。なんとも言葉では表現しずらい心の締め付けが体験できます。

ラストは…やっぱり不完全燃焼!!!でも…(ネタバレです)


ちょっと予想はしていたけど残りページが少なくなっていくのに話が一向に解決する兆しが見えない。まさかまさかと思っていたがやっぱり!!主人公達、やっぱり帰れねぇんじゃねぇか!!!今の世界を受け入れ前向きに生活していこうってか??こちとら何の解決にもなってねぇんだよ!どうしてくれるんだ。このモヤモヤ感!!ってのが最初の感想。

ただ、なんかこのモヤモヤ感は何かある。何か違う。もやもやした気持ちと平行して、この世界がパラレルだったらどうなんだろう。とかいろいろ考えてしまう。なんか芥川賞作品読んだ感じだなぁと思っていたらまさに原作者は芥川賞作家でした。んで、調べてみたら映画化もされてるみたいだ。いろんなメディアで展開されるんだし、この作品にはそれだけの魅力がある作品だという事はなんとなく分かる。映画も見てみよう。

最後に…


読み終わった時は完全な不完全燃焼で不満が溢れ出しますが、余韻に浸っているうちに今時分のいる世界がパラレルだったらどうなんだろう。とか、気づいてないだけかも。とかこの作品しか考えていない事に気づきます。こんな感覚はなかなかお目にかかれないと思います。不思議な切なさ。体験してみてはいかがでしょうか。









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